理事長あいさつ

理事長就任のごあいさつ

「朝田教育財団だより 第31号 2019年8月」より

朝田教育財団 理事長 水田 雅博

このたび、松井珍男子大先輩の後を引き継ぎ、朝田教育財団の理事長をお引き受けすることになりました水田雅博です。
よろしくお願いいたします。

昨年の春、「朝田善之助記念館」竣工の新聞記事を見ながら、静かに喜びを噛み締めておりました。
その日から8ヶ月経過した本年1月に松井大先輩から、突然、この度の理事長の話を切り出されました。
これまで、財団が主催される行事や研修会には、時々参加をさせて頂く程度でしたので、驚きと言いますか、よもや私が朝田教育財団の理事長になるなど夢にも思わないことでした。
そして、副理事長の朝田華美さんからもお話を頂き、もうお引き受けするしかないと決意した次第です。
といいますのも、この財団の初代の事務局長として運営の基礎を築かれた朝田善三さんと私は、中学生時代の同級生であり、社会人になってからも様々な連携を図る親友としてずっとお付き合いをした仲だったのです。

善三さんは、御父上の事業を受け継ぐ傍ら、財団設立当初から財団の目的である「部落の青少年などの教育を振興するとともに、部落問題に関する研修、啓発および研究を行い、もって部落問題の解決に寄与する」(財団設立趣旨)ことに粉骨砕身、大変精力的に活動されていました。
会うたびに財団の話を熱く語っておられたことを思い出します。
朝田華美さんのお話しを聞いて、そんな彼を想い起こしながら、彼の「志」、「精神」が未来につながるように精一杯努力して参りたいと決意をいたしました。

さて、朝田教育財団は、朝田善之助委員長の生涯の闘いの結晶であります。
そして、先の目的にありますように崇高な理念を示しています。
この理念を私もしっかりと受け止め、財団の主要事業が奨学事業であることは勿論ですが、そうした奨学事業を通じて「人を育てる」こと、さらに差別のない社会に向けて教育・啓発に取り組むことに全力を傾注いたします。

また、朝田善之助記念館が開設されてちょうど1年という歴史の節目に立ち会わせていただくことができて本当に光栄なことと感じています。
記念館には、朝田善之助初代理事長が生前様々な運動を通じて収集された5万点を超える部落問題にかかわる史資料が残されています。
私も書庫と1階と2階にある開架されている図書や史資料等を拝見しました。
運動の中で明らかになっていない資料等も多数存在し、歴史的価値のある本当に素晴らしい史資料が保管されています。
現在「公開」に向けて鋭意準備中ですが、是非とも一度閲覧していただきたいと存じます。

さらに、記念館には朝田善之助さんの往年の居室がそのままに再現され、ここで部落解放について熱く語られていたであろうお姿に想いを馳せ、「朝田学校」を体感することも出来ます。
こうした朝田善之助さんの熱い「魂」を感じつつ、朝田教育財団が差別のない“真に豊かな社会” を実現するために日本の人権問題解決のリーダーシップを発揮できるよう心血を注いで参ります。

一方で、2016年12月に制定施行されました「部落差別の解消の推進に関する法律」は、「部落差別」を具体的な人権問題として取り上げその解消に向けた取り組みを明らかにしました。
そして、この法律を受けて兵庫県のたつの市をはじめとして各地で「部落差別の解消の推進に関する条例」の制定も進められています。
このように、名称の違いはあるものの我国の人権問題を解決する大きなスタートにもなりました。
しかしながら、すでに3年が経過していますが、法律の目指す社会の状況には至っていないのが現状ではないかと思っています。
当財団がそうした社会を変える一翼を担えることができればとも考えています。

とは言いましても、松井大先輩をはじめ歴代理事長の方々のように大きな実績もない私であります。
第7代目の理事長としての大役を果たすことができるかどうか、大変な恐縮とともに不安でいっぱいです。
京都市役所時代、現場の第一線で働く仲間と一緒になり、走り回っていたことだけが取り柄の私でございます。
皆さん方とともにお力添えをいただきながら、朝田教育財団がいよいよ「真の豊かな社会」、「差別のない社会」に手を繋いでいく、そんな大きな役割を果たす仲間の一人として、役割を果たしたいと存じます。

あらためて、朝田善之助初代理事長の生涯の闘いの結晶、財団創立の崇高な理念を胸に刻み、朝田善三さんが築かれた土台を、基盤を、彼の志を皆さん方にしっかりと繋ぐ、その気持ちだけは強く持ちまして、自らを叱咤激励しながら頑張って参ります。

皆さん方のお力添えを是非ともよろしくお願い申し上げまして、理事長就任のご挨拶とさせていただきます。
何卒、よろしくお願い申し上げます。

朝田教育財団 理事長 水田 雅博

略歴
みずた まさひろ
1953年12月14日生まれ。
立命館大学卒業。
1977年 京都市役所入庁。
教育委員会、総合企画局市長公室長、伏見区長、
京都市交通政策監、京都市公営企業管理者を歴任。
2016年3月退職。
現在、京都ステーションセンター株式会社 代表取締役専務
立命館スポーツフェロー 会長
立命館大学体育会ソフトテニス部 統括監
立命館大学校友会 常任幹事
近畿ソフトテニス連盟 副会長
京都市体育協会 理事 などを務める。