奨学生の近況4|2019年度 前期

『大学生活を通して』

 

大学に入学し、朝田教育財団の奨学生になって3年目に突入した。

私は1年間浪人しているので、地元の友人たちは就職活動を進めており、内定をもらった友人もいれば教員採用試験や公務員試験の勉強をしている友人もいる。

私は教員志望であるため、来年の教員採用試験まで約1年しかなく危機感を持って勉強に打ち込んでいかなければいけない。

3回生になって大学生活も終盤に差し掛かろうとしている中で、新しい経験をして学んだことを書いていきたい。

 

まず介護等体験である。

小・中学校の教員になるためには、社会福祉施設で5日間、特別支援学校で2日間の実習を行う。

社会福祉施設での実習では「朝日の里」という施設でお世話になった。

ここは自立した生活を営むことへの困難度が高い自閉症などの利用者さんが多くおられて、利用者さんたちは施設の職員さんに助けてもらいながら内職などを中心に自分自身ができる仕事をされていた。

この「朝日の里」での実習で私は「当たり前」や「普通」という言葉を考えるようになった。

私たちが普段生活していく中でよく言葉にし耳にする「当たり前」や「普通」という言葉はいったい何を基準としているのだろう。

私たちが「当たり前」にしていることが障害者の人たちは「当たり前」にできないかもしれない。

こうした「当たり前」や「普通」といった言葉や周りの人たちが障害という壁を作っているのではないかと私は考えるようになった。

 

2日間の特別支援学校での実習では、知的障害を持った生徒を担当した。

この特別支援学校では卒業後の生徒たちの就業を支援する学校であり、私はここで「なんでも手助けしない」大切さを学んだ。

生徒にとって教師は期間限定である。

この特別支援学校では3年間で生徒たちは先生の手を離れてしまう。

先生は3年で生徒を自立させ、生徒は3年で先生から自立しないといけない。

教えることだけではなく生徒を育てることも大切なことだとあらためて気づいた。

また、できないことを想定して教えることや、小さなことでもほめてあげることなど、いろんなことを学ぶことができた。

この介護等体験で学んだことは今後に生かしていきたい。

 

3回生になって3か月が経つが日々学ぶことがたくさんあり、非常に充実していると思う。

1年浪人していることをプラスに考えて、教員試験を受けた友人に情報を聞いたりして来年の教員採用試験の対策を練っていきたい。

また、財団でも聞けることがあったら聞いていきたい。

 

大学 社会学部 現代社会学科 3年生 N.K.さん