奨学生の近況1|2023年度 後期

卒論テーマ「部落差別」

 

大学生活最後の年になり、春学期がスタートし、今はもうラストスパートで夏休みが迫ってきている。大学の講義も一通り落ち着き、就職活動も終盤になりつつある。学校に行くとあと少しで卒業かと思いふける事が多く、学校に行くのが楽しい反面、あと少しで終わってしまうという悲しさも溢れてくる。今、大学のゼミでは新しい3回生が入ってきて、新3回生と4回生の私達で日々勉強を行っている。私達4回生は、大学生活の集大成として卒論に励んでいるが、3回生は、共同研究という私達も去年やった3年生全員で研究テーマを決め、それを研究し、秋学期の10月に発表するという活動に励んでいる。懐かしいと感じながらも、3回生のフォローをしながら研究で困る所であったり、行き詰まった時にどうするかなどを教えるのが私達4回生の役目だ。

 

そして今、最も苦戦している事が卒論である。私自身、部落出身であることも関係しているのか、どうしても卒論のテーマは部落に関係すること、例えば「結婚差別」のテーマを取り上げて、研究しようと考えているが中々良いアイデアが思い付かない。結婚差別を卒論のテーマに取り上げようと思ったきっかけは、高校生の時に全国高校生集会・全国青年集会に参加していたとき結婚差別にあった人の話を聞いてすごく印象に残っていたからだ。付き合い、結婚の話になった時、例えば、部落出身と分かった時にこれまでは普通に関係を続けていたにもかかわらず、結婚を破談されるケースがある。本人同士は納得していても、親が介入してきて親が反対するケースもある。やはり根底にあるのは、部落に対するマイナスイメージがあり、幸せであるはずの結婚が、不幸せの結婚というイメージがつき反対されると言われている。

 

私は部落に対する知識もあり、マイナスのイメージを持ってないが、部落に対する知識が無い人や間違った考えなどの人は避けたり、差別すると思う。やはり、大事なのは、義務教育の段階でどれだけ正しく同和教育を行えるかに掛かっていると考える。そして誤った考えを持つ大人達を、私達の世代が間違っていると教えることが出来て差別は少なくなると考える。そして、部落に生まれたことを誇りに思って、堂々と出身の話を打ち明けられて、生まれて良かったと思えた時が、部落差別の終わりだと考える。

 

大学 文学部 総合人文学科 4回生 O.K.さん