同郷の友と語り思うこと
大学生活最後の秋がスタートし、残すところ4ヶ月ほどになり長かったような早かったような少し名残惜しい気持ちで日々の学校生活を送っている。一番大きな出来事としては、就職活動を再開したということだ。理由は、色々あるが研修を通じて私には合わないと感じ、ここで長く働くよりも新しく就職活動を再開し満足のいく答えを出す方が良いと考え思い切ってスタートした。かなりギリギリの決断で上手くいくかどうかの不安はよぎるが頑張ろうと思う。
そして、もう一つの大きな課題が、卒業論文だ。部落出身であるのも相まって卒業論文は必ず部落を扱ったテーマで書きたいと思っていた。そして、出身である強みも活かして「部落出身者が部落について考える現状」というテーマで書き進めている。この論文の調査方法としては、半構造化インタビューを採用していて、対象者は部落地域出身の同期三人である。一人はインタビューをまだしていないのだが、二人は済んでいて、おもしろい研究材料が取れたと思うと同時に久々に長く喋って小学校の時を思い出してしまい懐かしいと感じる場面もあった。この二人とは、幼稚園からの仲で、人権展のおみこしなどのイベントや人権展の発表会などにも参加していて地元の部落の活動に意欲的だった。結婚差別の話をした時に、片方は、親自身が結婚差別にあっていて昔からその話を聞かされており、結婚差別に対して闘う準備は出来ていて、今の時代結婚差別をする方がおかしいという状況になってきているから結婚差別に対して怖いというイメージは無いと言っている。逆にもう一方は、結婚差別という言葉を今聞いて初めて知ったと言っていて今聞いた話だったら、もし付き合っている人が了承を出していても、その親が反対してきた時はどうにも出来ないから怖いと言っていて、同じ出身者でもこれだけ意見が分かれる知見が得られた。
一番印象に残っているのは、地元に生まれたことを後悔しているかを尋ねたところ、二人とも迷い無く、後悔はしていなくここで生まれて良かったと言っていてすごく嬉しかった。どこに生まれようが、良い友達に出会って過ごしていくと良い経験が積め、自己肯定感を高め、良い人生を築けると思った。
大学 文学部 総合人文学科 4回生 O.K.さん