現職を経て、新たに奨学生として
今回、新たに奨学生として採用いただきました O.S.と申します。。奨学金を通じて私の学びを支えていただけることに、心より感謝申し上げます。私は大学卒業後、兵庫県の特別支援学校において11年間勤務してまいりましたが、自身の教職力量をさらに高め、より根拠に基づいた支援を実践したいと考え、令和7年度より大阪教育大学教職大学院へ進学いたしました。
現在は「特別支援学校の授業場面における問題行動の改善―ポジティブ行動支援による望ましい学習行動を育む支援の実践―」をテーマに研究を進めています。知的障害特別支援学校では、自分を傷つける、他人を傷つける、物の破壊といった問題行動を示す児童生徒を担任することは決して珍しくありません。こうした行動への予防的なアプローチとして、ポジティブ行動支援(Positive Behavior Support:PBS)が国内外の研究でも有効性が報告されています。PBSとは「当事者のポジティブな行動(本人のQOL「生活の質」向上に直結する行動)を、罰的ではない肯定的・教育的・予防的な方法で支援するための枠組み」(日本ポジティブ行動支援ネットワーク, 2022)であり、私はこの視点に基づいて授業中の離席や集中の途切れが生じやすい児童生徒に対し、課題の明確化、待ち時間の短縮、成功体験を重ねられる課題提示などの工夫を行っています。児童生徒の行動を「その子の問題」と捉えるのではなく、「環境側の改善で何ができるか」という視点に立つことが、より安全で学びやすい教室づくりにつながると実感しています。
また、11年間の教員経験を通して、同和教育の重要性を改めて強く認識するようになりました。現在、学校現場では指導内容が多岐にわたるため、同和教育が人権学習の一領域として扱われる中で、歴史的背景を十分に扱わないまま「差別はいけない」という表層的理解で終わってしまう実態があります。さらに、教員自身が同和問題の歴史的経過や現代の差別のかたちを深く理解しておらず、正確な知識をもたないまま指導にあたってしまうという課題も見えてきました。
教育に携わる者として、私は子どもたちが人権について正しく学ぶだけでなく、教員がまず確かな知識を身につけ、安心して学べる環境を整えることが不可欠であると感じています。部落差別の歴史と現状を子どもたちが自ら調べ、意見交換し、現代社会につながる課題として捉えられる授業を実施するためには、教員研修の充実や外部機関との連携が欠かせません。
今後も大学院での学びを深めながら、PBSに基づく肯定的な支援と人権教育を両立させ、すべての児童生徒が尊重される学習環境づくりに貢献していきたいと考えております。引き続きご支援とご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
大学院 連合教職実践 1回生 O.S.さん
































