朝田善之助記念館完成記念の集いを行いました

去る7月13日、京都市中京区の京都ホテルオークラ 翠雲の間において、「朝田善之助記念館完成記念の集い」が110名の皆さんの参加で行われました。

 

山﨑孝財団評議員の司会で開会し、井本武美記念館初代館長が開会挨拶をしました。最初に門川大作京都市長から祝辞をいただきました。

 

 

門川大作 京都市長

「朝田委員長の哲学、水平社宣言を

京都のまちづくりの中に、市民生活の中に生かしていく」

 

「松井理事長をはじめ、記念館建設にご尽力いただいた方々に敬意を表します、御礼申し上げます。福山先生、青木先生、差別をない社会を作ることは党派を超えたものです。記念館は、間伐材のヒノキづくりです。一本一本は弱いが重ねて組んで使えば何よりも強い、これが朝田委員長の哲学です。人権宣言70周年の年です。世界文化自由都市宣言40年、世界の人々が平和の裡に、民族・宗教・社会体制を超えて京都に集い、その交流の中から新しい文化を創造し世界の人々の幸せと平和のために貢献する、これが理想だという世界文化自由都市宣言を行っています。4年後には、朝田委員長が参加された、水平社宣言から100年という年を迎えます。改めて差別のない社会を作るため闘い続けられた、朝田委員長にならい多くの人を育てていただき、みんなで集い記念館を中心に取り組んでいきましょう。部落差別解消推進法もでき、法的な整備はできてきましたが、ネットの社会では厳しい状況があり、またヘイトスピーチなど新たな課題も出てきているとき、朝田委員長が大事にされてきた哲学、水平社宣言を京都のまちづくりの中に、市民生活の中に生かしていくのが私たちの責務でないかと思います。皆さんに感謝するとともに、努力していきたいと思います。」

 

 

この後、国会会期中のお忙しい中、東京から駆けつけていただきました福山哲郎(参議院議員)様よりご挨拶をいただきました。

 

 

福山哲郎 参議院議員
「今の政治の社会で、私自身、腹を決めなければいけないなと、

朝田先生からご指導いただいたような気がします。」

 

「朝田善之助記念館の開館を心からお喜び申し上げます。松井理事長をはじめ、建設のご尽力いただいた方々に頭の下がる思いです。朝田先生没後35年たって、皆さんが集われ一つの形にされたこと大変な力だと思います。先ほどの研修会で竹口先生の話を拝聴させていただき、なぜ35年間も、こんなに多くの方々が集われ、こんなに多くの方々が記念館を何とか形にしたい、とそれだけの人間力と闘いがあったからだとしみじみ思いました。私は朝田善之助さんにはお目にかかりご指導いただけなかった若輩者ですが、朝田善三さんには大変かわいがっていただきました。『福ちゃん、頑張れ、頑張れ』とご支援いただいておりました。若くして亡くなられさぞ無念だったと思いますが、今日、善三さんの20代の写真を拝見して胸が詰まってしまいました。自分たちがいま生きている世界を見て、朝田先生がご存命でいらしたらいかに悔しいと思われるか、自分のやってきた闘いの結果、今の日本の社会を見てどう思われているのか、そのことを自問自答しておりました。ネット上では、差別の用語があふれ、メールやいろいろなところでは、匿名で無責任に誹謗中傷の言葉があふれ、部落差別や在日に対する心無い言葉が氾濫し多くの人を傷つけ、そういう状況が今、あちこちにあります。政治のほうでも、社会科学を大学の授業から外せばいいのではなかという議論までされる始末です。今日社会科学を学ばなければ、部落解放の学びには入らないと、社会科学はすべての入り口だとご指導された朝田先生の方角とは真逆なのではないかと思いながら、自分自身、甘くてたるんでいないかと、ちょっと腹を決めなければいけないなと逆に、朝田先生からご指導いただいたような気がします。先人の闘いと多くの学び、それを紡いでこられた先輩方のご努力に、やはり後輩として応えていかなければならないし、私自身、もう少ししっかりしなければいけないと思わせていただきました。今日も、国会ではごちゃごちゃしておりまして、来週からも揉めるのですが、竹口先生の講演に間に合うように帰ってきました。乾杯の後、すぐに東京へ戻らなければならないのですが、私のお礼の挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。」

 

 

つづいて、来賓の皆様の紹介が行われました。

 

青木ヨシオ 元京都市議会議長
稲田新吾 京都市教育委員会教育次長
棚田洋平 部落解放・人権研究所事務局長
平岡 聡 京都文教大学学長
水田雅博 京都ステーション代表取締役専務
鎌田論珠 ノートルダム教育修道女会

 

そのあと、原田真智子財団評議員、部落解放同盟京都府連顧問のご発声で乾杯を行い歓談に移りました。

 

その後、参加された皆様からお祝いの言葉をいただきました。

 

大賀正行 部落解放・人権研究所名誉理事
山本崇紀 財団評議員、
静岡大学准教授三川譲二
久留米工業高等専門学校校長
棚田洋平 部落解放・人権研究所事務局長
藤原四郎 西播磨部落問題学習会会長

 

藤原会長から、冊子『朝田善之助』研究~「語録」で辿る部落問題~の紹介と配布が行われました。

 

完成記念の集いの閉会挨拶を、朝田華美財団副理事長(朝田善之助氏のお孫さん)よりいただきました。