奨学生の近況1|2016年度 後期

『教師という職業』

 

去年の11月教育実習があった。

これまでのインターンシップやボランティアとは違う視点で教師という職業を知ることができた。

ボランティアやインターンシップは授業をすることは無い為、教師の仕事をみるということより、子どもと関わり子どもを知っていくという感じであった。

しかし、教育実習では、教師という仕事、学校組織のことがよく見ることができた。

教育実習生というのはもう教師の一員とみられ教師、先生という責任がより一層伴ってくる。

そのような中で4週間勉強することにより教師になりたい理由が具体的になり、学校における教育とは何かを考え始めた。

 
私自身、なぜ小学校の先生になりたいのかと聞かれても教えるのが好きだからなどといったどこにでもありそうな理由だった。

私は教育実習中4年生の1つのクラスで勉強をさせてもらっていた。

そのクラスの担任の先生はベテランの優しそうな女の先生だった。

その先生は、児童の個性を大切にし、授業中の発言や休み時間のすごし方など児童を尊重していた。

一方、授業態度であったり、人を不快な思いにさせたときなどはしっかりと叱っていた。

そのようなメリハリのある学級経営を行っていた。

児童たちは自分の興味のあることに対しては休み時間を調べていた。

いきいきとしていて毎日が楽しくて仕方ないという気持ちが伝わってきた。

他の先生のクラスではまた違うクラスの雰囲気だった。

教師の学級経営方針やかかわり方で児童にここまで影響するのかと感動を受けた。

教師という職業はとても重い責任があるが、その分やりがいもあると身をもって知った。

 

子どもに影響を与える教師だからこそ教師が適当であってはいけない。

そのように思ったときにこれまで大学での授業がとても大切で意味のあることだと気付いた。

自己肯定感が低いことにより、学力低下や規範意識が薄らいでいく傾向がある。

自分はこの場に受け入れられている、必要なんだと思う場面を作ることにより、自己肯定感は醸成されていく。

子どもに対する言葉、そして接し方ひとつひとつを慎重にしていかないといけない。

一人ひとりの個性や考え方までしっかりと理解した上での声掛けや支援をしていかないと子どもたちには届かない。

一人ひとりを理解することは容易ではないが、諦めずにとことん向き合っていくことが必要だ。

教師というのはただ勉強を教えればよいのではない、間違ったことを叱れば良いだけではない。

なぜその子は間違ったことをしてしまったのかなどの背景までしっかりと見て理解していくことが本当の児童理解であり、教師には必要だと感じた。

 

子どもには無限の可能性が広がっている。

だから私は一人ひとりを大切にし、たくさんの世界を見せていける教師になりたいと強く思う。

 

大学 臨床心理学部 教育福祉心理学科 4年生 S.A.さん