奨学生の近況5|2019年度 後期

『実習を通して「検査技師」が身近に』

 

前期は無事単位を落とすことなく終えることが出来た。

9月から始まった後期は、専門科目である臨床の単位が増えたため、覚える内容が多く難しい為ついていくのが大変だ。

この中で1つでも落としてしまうと留年することになるので、これまで以上に気を引き締めて日々受講している。

また、単位に関わる講義のほかに、補講として追加で講義を受けており、5限まで大学にいることがほとんどだ。

さらに、週に2日実習を行っているため、毎週レポートを作成することに苦戦している。

 

後期が始まってすぐに、採血実習を行った。

1回目はモデルを使用して技法を確認した。

練習段階とはいえ、採血時は針刺し事故が多く感染や溶血の危険が伴うため、細心の注意を心掛けた。

2回目はホルダーを使用して、3回目は翼状針を使用して学生間で実際に採血を行った。

本物の人間は各々静脈の走行が違っており、採血に適した血管を探すのが難しかった。

理想の血管は肘窩(ちゅうか 腕の内側のくぼみ)の親指のある側のものだが、駆血しても出てこないものや目視で確認できないものがほとんどだった。

採血では少しでも針が静脈を逸れると、周りにある神経を傷つける恐れがある。

また、深く穿刺(せんし)しすぎても静脈の奥にある神経を傷つけてしまう。

そのため、大変なプレッシャーを感じた。

このように採血を行う側も緊張するが、被採血者の体と心の健康が第一であるため、声掛けが重要だと学んだ。

採血が長期にわたると、被採血者は手先のしびれを感じることが多く放っておくと危険だ。

そのため、逐一「痛くないか」、「しびれはないか」を確認する必要がある。

実習では、先生方の助けを借りながらも事故なく、無事採血を達成することが出来た。

終了後は達成感を感じ、検査技師についての興味が深まった。

 

11月からは、尿沈渣検査の実習が始まった。

尿沈渣では、採尿を遠心して出た沈殿を顕微鏡で観察して固形成分の種類や量を調べている。

実際に、赤血球や白血球、上皮細胞、円柱、結晶を見ることが出来た。

検査技師はここからさらに、病気の可能性があるのか混入したものかを患者の情報と照らし合わせて判断する。

 

12月には大学の解剖見学に行く。同学年の医学部生に教わるため、刺激をもらえるいいチャンスだと思って、しっかり予習してから臨みたい。

 

大学 バイオサイエンス学部 2年生 Z.S.さん