奨学生の近況2|2015年度 前期

新たな夢

 

私は将来小学校の先生になることが夢だった。心の中ではスクールカウンセラーや特別支援の教諭にもなりたいと考えていた。今の大学では大学院に進めば、スクールカウンセラーにはなれる。だが、特別支援の教諭免許は所属大学ではとれないと1回生のときにいわれ、諦めていた。しかし、大学の講義などでその内容になるとすごく興味をひかれていた。

 

そして、つい最近、2日間であったが介護等体験という実習で特別支援学校へいってきた。2日間は本当に早く過ぎた。今、インターンシップで週1回小学校へ行っているがそことはまったく時間の流れ方がちがった。とてもゆっくりで心地よかった。気づいたらもう1日が終わっていた。私が担当させてもらった学級は6年生が修学旅行へ行っているということもあり、4年生1人、5年生2人、計3人であった。自分から話しかけてくれることはなく、自分ひとりで遊べない、なかなか言葉を発することがない児童たちであった。そのため、1日目は話しかけても全く反応がなく、まともに目をあわすこともなく、私も遠慮がちになり会話ができなかった。

 

先生方がいろいろと児童たちのことを教えてくれた。些細なことかも知れないが、昨日までできなかった事ができたら、先生方が精一杯心から喜んでいた。そんな光景をみて、なぜか私まで嬉しくなった。そんな実習1日を終え、特別支援の教諭にやはりなりたいなと感じた。

 

そして2日目はもっと積極的に話しかけて会話できるようになろうという目標をたててのぞんだ。朝、バスで児童たちが登校してくるのだが、担当の先生に1人の子のお迎えを頼まれた。次々と児童たちが下駄箱にやってくるのを見ながら担当学級の児童をまっていた。児童がようやくやってきたとき、その児童が私をしっかりと覚えていて笑顔で「先生おはようございます」と言ってくれた。そのとき心底嬉しくて、飛び跳ねたい気分だった。幸先のよいスタートを切れたと思った。

 

2日目の目標を達成すべく、担当学級の児童に何度も返事が返ってくるまでめげずに話しかけた。するとちゃんと反応し返してくれた。それだけではなく児童のほうから回数は少ないが話かけてくれたり、名前を呼んで遠いところから呼んでくれた。そして笑顔も見せてくれ、甘えてきてくれることもたびたびあった。

 

こんな些細なことだけどなんともいえない達成感や感動があった。しんどいことも多い現場ではあるが、やりがいを感じられる素晴らしい職業だと感じた。今は真剣に、本気で特別支援の免許を取得したいと考えている。そのために自分はどう動けばいいのかまで考え始めている。

 

2日間の実習であったが得るものがたくさんあった。

 

大学 臨床心理学部 教育福祉心理学科 3年生 A.Sさん